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FFIキャスティングインストラクター試験(MCI)


MCI(マスターキャスティングインストラクター)になるには

FFIが定めるマスターキャスティングインストラクターになるには以下の項目をクリアする必要があります。

・事前にFFI会員になること。会員になるにはこちらをクリックしてください。

・FFIの定めるCI(キャスティングインストラクター)であること、もしくはEFFA, GAIA, AAPGAI, APGAIアイルランド、SGAICなどの他団体が運営する試験資格を保有する場合、資格要件は免除される場合があります。その場合は事前に本部まで申請を出してください。

・MCIテストに合格すること

以上3点です。

パフォーマンステスト

上記のうちのパフォーマンステストの内容と心得をPDFで載せておきますのでご参照ください。

MCIPerformance_rev

*この試験に向けて準備を進めておられる方もいると思いますが、ごく最近タックルに対する要件が少し変更されています。

上のPDF内で赤字で記述しておきましたので、ご確認ください。その内容を極簡単に説明すると、セクション1Aと1Bで別のロッドとラインの使用が認められたという点です。

試験の構成

マスター・フライキャスティング・インストラクター試験は3セクションから構成され、それらすべてに合格することが要求されます。具体的にはセクション1(キャスティング・パフォーマンス 1A および 1B)、セクション2(ティーチング・パフォーマンス)、セクション3(インタビューおよびディスカッション)となります。セクション1のタスクに関しては、2つまで不合格が許されています。セクション2のタスクは全問合格が前提です。次のセクションに行くためには、前のセクションをクリアしなければなりません。セクションが始まったら、途中結果のいかんに関わらず、その中のタスクすべてを行うこと。セクションを行う順番は、番号の通りとします。また、セクション1Aは1Bの前に行います。「ウォーターキャスト」は、流水もしくは止水面を使用すること。試験の開始後は、いっさいのコーチングが許されません。

これらのうち、セクション1であるキャスティング・パフォーマンスについて簡単にご説明します。

キャスティング・パフォーマンス1A(芝生でのパフォーマンステスト)

タスク1 オーバーヘッドキャスト(ナローループ)

このキャストについての簡単な説明をし、その後ナローループのフォルスキャストを6回行います。

タスク2 オーバーヘッドキャスト(ワイド~ナローループ)

簡単な説明に続き、フォルスキャストをしながらループ幅をワイドからタイトループまで3段階で徐々に狭めていきます。ラインの長さは50ft(約15.2m)です。

タスク3 キャスト面の変更

簡単な説明に続き、1時、2時、3時の位置でキャストします。

その後でオフショルダー・キャストとして、11時、10時、9時の位置でもキャストをします。

各位置で2回フォルスキャストをします。ライン長は40ft(約12.2m)です。

タスク4 スラックライン・ウェーブ

簡単な説明に続き、2種類のスラックラインを実演します。

最初は連続する大きなスラックウェーブ、次に連続する小さなスラックウェーブを作ります。

ライン長は50ft(約15.2m)。

タスク5 ターゲットをかわすメンディング

簡単な説明に続き、15ft(約4.6m)、25ft(約7.6m)、35ft(約10.7m)の位置に置いたターゲットを、エアリアル・メンドでかわします。

タスク6 カーブドライン・プレゼンテーション(左)

簡単な説明に続き、ターゲットを回って左にカーブさせるプレゼンテーションを2種類行います。この2種類とは、1つはロッドを水平に近い面で振るもの、もう一つはロッドを垂直に近い面で振るもの

ラインの長さは45ft(約13.7m)です。

タスク7 カーブドライン・プレゼンテーション(右)

タスク6と同様の事を右にカーブさせるプレゼンテーションで行います。

タスク8 オンショルダー・アキュラシー

簡単な説明に続き、設置されたターゲットに、40ft(約12.2m)、30ft(約9.1m)、50ft(約15.2m)の順でアキュラシーキャスティングを行います。

タスク9 オフショルダー・アキュラシー

簡単な説明に続き、タスク8と同じことをオフショルダー側で行います。

タスク10 ダブルホール

簡単な説明に続き、ダブルホールを使って45ft(約13.7m)から65ft(約19.8m)までラインをのばしていきます。

タスク11 ディスタンスキャスト

簡単な説明に続き、最低85ft(約25.9m)のキャストを行います。

タスク12 オフショルダー、もしくはバックキャスト・ディスタンスキャスト

簡単な説明に続き、オフショルダーもしくはバックキャストで最低75ft(約22.9m)のキャストを行います。

水面でのパフォーマンス・タスク―――セクション1B

水面のアンカーを使用した、ロールキャストやスペイキャストのセクションです。

タスク13 スタティックライン・ロールキャスト(利き手サイド)

簡単な説明に続き、次の2種類のスタティック・ロールキャストつまり、バックループが静止した状態でのロールキャストを行います。

(a) ホールもシュートも行わない50ft(約15.2m)のキャスト

(b) シングルホールを行い、55ft(約16.8m)をキャスト。シュート可

タスク14 スタティックライン・ロールキャスト(オフショルダーサイド)

簡単な説明に続き、50ft(約15.2m)のオフショルダー・スタティックライン・ロールキャストを行います。

スク15 スイッチキャスト(利き手サイド)

簡単な説明に続き、次の2種類のスイッチキャストを行います。

(a) ホール、シュートを行わない、Dループを使うキャストで55ft(約16.8m)を投げる

(b) シングルホールを行い65ft(約19.8m)キャスト。シュート可

タスク16 シングルスペイ(利き手サイド)

簡単な説明に続き、最低45°の方向転換を伴う65ft(約19.8m)のシングルスペイを行います。ホール、シュートは可

タスク17 ダブルスペイ(利き手サイド)

簡単な説明に続き、最低90°の方向転換を伴う、65ft(約19.8m)のダブルスペイキャストを行います。ホール、シュート可

タスク18 スナップキャスト(利き手サイド)

簡単な説明に続き、最低90°の方向転換を伴う65ft(19.8m)のスナップキャスト(スナップTもしくはスナップⅭ)を行います。ホール、シュート可。

タスク19 スネークロール(利き手サイド)

簡単な説明に続き、90度の方向転換を伴う65ft(約19.8m)のスネークロールキャストを行います。ホール、シュートは可。

タスク20 オフショルダー・スペイキャスト

簡単な説明に続き90°以上の方向転換を伴う55ft(約16.8m)のスナップキャストないし、ダブルスペイキャストをオフショルダー側で行います。ホールおよびシュート可

タスク21 クイックキャスト―――ウェーディング時のライン管理

簡単な説明に続き、65ft(約19.8m)までシュートするクイックキャストを行います。ホールの使用は可。

タスク22 沈んだラインとオーバルキャスト

簡単な説明に続き、深く沈んだラインをキャストのために引き上げるテクニックをデモンストレーションしてください。それに続き、30°の角度変換を伴い、オーバル/ベルジャンキャストを使って65ft(約19.8m)までシュートします。ホールの使用可。

*未だご紹介できていない部分も多くありますが、順次加筆していきます。

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FFI CI(キャスティングインストラクター)パフォーマンステスト:ディスタンスキャスト


ディスタンスキャスト

ここではFFIのCI(キャスティングインストラクター)の15個あるキャスティング・デモンストレーションに関するパフォーマンステストのうち、ディスタンスキャストについてのタスク、14と15についてご説明します。

タスク14はダブルホールを使ったキャスティングを、タスク15は75ft以上の距離を投げ切るディスタンスキャストの実演です。

先ずはダイジェストを動画でご覧ください。

タスク14 ダブルホール

50ftのラインを出し、ダブルフォールを使ったフォルスキャストを6~8回連続して行います。

ホールはスムーズで適切なタイミングと長さ行います。また、ループは常に安定して前後ともその幅は4ft以下になるようにしてください。

ホールのタイミングは、ロッドハンドのストローク中に開始し、ストロークの終了と同時に終了、ホールした手は直ちに元のロッドハンド近くへ、ストリッピングガイドとラインハンドの間のラインが弛まない程度のスピードで戻していきます。

失敗例

ダブルホールの失敗例をいくつかご紹介します。

ホールがスムーズでない例

最初の例はホールの仕方がスムーズでない例です。特にラインの引き方が急激に、乱暴に行ってしまったため、ロッドがその時に一瞬大きく曲がりその直後復元してしまうため、ロッドティップの軌跡が下に凹んだ形となり、テーリングループが形成されてしまいます。ロッドを乱暴に振った時と同じ結果になります。

ホールしたラインを戻すタイミングが早すぎる例

2番目の例はホールした手を戻すタイミングが早すぎる例。ロッドがまだストロークの途中にホールを戻してしまうと、それまで曲がっていたロッドが、この時に復元してしまうため、ロッドティップの軌跡はこの時に上に向かってしまいます。これもやはりテーリーングループの原因となります。

ホールした手が戻らない

2番目の例とは反対にホールした手を戻すタイミングが遅れてしまうと、ラインを戻す事ができなくなってしまいます。この動画ではバックキャストの終了じにラインハンドがロッドハンドの近くに戻っていません。動画ではループには特に乱れていませんが、これはラインハンドを無理に戻していないためですが、これではダブルホールになりません。また、これを無理に戻そうとするとストリッピングガイドとロッドハンドの間のラインは大きく弛み、バックキャストのラインも途中でループがほどけて後ろの水面に落下してしまいます。

タスク15 ディスタンスキャスト

最低75ftの距離を投げる、ディスタンスキャストです。

注意点

全体にリラックスした状態でキャストを完了してください。

ホールの長さ、ロッドハンドのストローク長はロッドティップから出ているラインの長さと同期します。つまり、ラインが短い時はホールの長さもロッドハンドのストローク長も短く、ラインが長くなるのに合わせてそれらも長くしていきます。そして同時にキャスティングアーク、つまりロッドの振り角も大きくなっていきます。

ショートディスタンス時のストローク長及びアーク
ミディアムディスタンス時のストローク長及びアーク
ロングディスタンス時のストローク長及びアーク
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FFI CI(キャスティングインストラクター)パフォーマンステスト:アキュラシーキャスト


アキュラシーキャスト

FFIのCI(キャスティングインストラクター)の15個あるキャスティング・デモンストレーションに関するパフォーマンステストのうち、タスク12と13はアキュラシーキャストつまり正確さに関するものです。

タスク12は利き手側でロッドを振り、3つのターゲットを順番に当てていくというもの、タスク13はそれを利き手と反対側でロッドを振り行うというものです。

これより各タスクについて解説していきます。

先ずは本題に入る前に、このタスクのダイジェスト動画をご覧ください。

タスク12 ターゲット

先ずラインを55ft出し、次にロッドティップからラインが5ft出た位置ぐらいまで手繰りこみます。フライを手でつまみ、その状態からフォルスキャストを開始。20ft、30ft、45ftの位置に置いたターゲットを近いものから順番に狙い、フライを落とします。

ラインの長さの調整はフォルスキャスト中に限ります。つまりフライやラインを地面や水面に置いて長さ調整を行ってはいけません。長さが決まったら、ホールを防止するため(このタスクもホールは禁止です)、ラインをロッドハンドに握りこんでからターゲットを狙います。第1(20ft)のターゲットを外したら最初の、ラインの長さ5ftの位置まで手繰り、再びフライを手でつまんだ状態からやり直します。第2(30ft)、第3(45ft)のターゲットを外した場合はその1つ前のターゲットの位置にフライが来るまでラインをたぐり、やり直します。それぞれのターゲットに対して3回までトライできます。

ターゲットの大きさは中心から38㎝以内、つまり直径約76㎝のリングを想像してください。

ターゲットまでの距離と射出角の関係

ターゲットまでの距離が変わるとターゲットラインの角度が変化することに注意してください。ターゲットが近いほど角度が急になります。それに合わせキャストする角度も変化させてください。ターゲットまでの距離が遠いのに、この角度が急だとティッキングの原因になりますし、近いのにこの角度が少ないと、ターゲットの上空高く狙うことになってしまいます。そのようにすると、風などの影響を受けやすく、正確性が損なわれてしまいます。

また、キャストの角度の変化とともに、バックキャストの方向もそれに合わせるように、バックキャストとフォワードキャストは直線で結ばれるように気を付けてください。

近いターゲット
中間のターゲット
遠いターゲット
タスク13 ターゲット(オフショルダー)

利き手と逆側でタスク12と同じことをします。