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とにかく良く釣れる、ユーロ・ニンフィングの基本


ユーロ・ニンフィングとは

ユーロ・ニンフィング、ユーロスタイル・ニンフィングとは、
フライフィッシングの競技の中から
ヨーロッパで生まれ、各地で発展してきた
比較的新しいスタイルのニンフィングのテクニックで、
モダン・ニンフィングなどとも呼ばれています。

その発祥はポーランドだとされており、
その後、チェコ、スペイン、フランス等、
ヨーロッパ各地でそれぞれのバリエーションが
発展してきました。

そして、現在は北米でも
その効果が認められ、
爆発的ともいえる広がりを見せています。

日本では、ごくわずかな
”マニア”の方たちが
ひそかに、その絶大な効果を享受してきましたが、

そろそろ本格的に
広まる気配が高まってきました。

もちろん、
美しいループで
華麗にキャスティングをし、
遠くの魚を釣るという
フライフィッシングのだいご味は
なにものにも代えがたいもので、
この釣り方は
それとは程遠いイメージの
ものではあります。

「これをフライフィッシングといって良いのか?」
という意見もあることも
承知しています。

しかし、ぼく個人としては、
新しいフライフィッシングの形として
これもありではないかと思っています。

むしろ先ずは試してみて、
そのうえで自分に合っているかどうか
の判断をされることをお勧めします。

とにかく良く釣れる方法なので、
乱獲禁止!
釣れた魚は全部持って帰るという人は
(フライフィッシングをしている方で
そのような嗜好の人は、
もういないと思ますが…)
ぜひやらないでいただきたい。

また、これからフライフィッシングを始めようという方も、
これがフライフィッシングのすべてだ
と思われてしまうのも
ちょっと悲しいので、
お勧めはしません。

ある程度以上
フライフィッシングの経験を積まれた方が、
それまでやっていたのとは別の、
新しいレパートリーとして
はじめていただけると
良いと思います。

ユーロ・ニンフィングの概要

ユーロニンフィングは
上でも触れたように、
フライフィッシングの競技から
生まれた釣り方です。

そのため、
魚を釣るということにかけては
きわめて効率的で、効果的。
特にある程度流れのある川で、

キャストの距離は短いので、
ポイントに近づけるような釣り場では
”爆発的”とも言える
釣果が期待できます。

ユーロニンフのタックル

現在、ユーロニンフィング用のタックルは
メーカー各社により、
いろいろな便利なものが
発売されています。

以下に、
そんなユーロニンフィング用のタックル
をご紹介しながら、
基本的なシステムをご紹介します。

ロッド

ユーロニンフィング用のロッドは
10ft以上のものが多く、
ラインウェイトは#2~#4程度と
ライトなものが
標準です。

この釣り方は、
キャスト後ただちに
腕を高く上げ、
フライを流している間、
その状態をキープします。

そのため、
腕が疲れないように
ロッドはその長さにもかかわらず、
たいへん軽くつくられています。

小さな川では9ft程度の長さでも
釣りは可能ですが、
探れる範囲が限定されてしまいます。

ユーロニンフィングを
本格的に始めようかどうか
迷われているのでしたら、
先ずはお手持ちの
9ft程度の、
できるだけ軽いラインウェイトのロッドを使って
小さめの川で試してみてみるのがよいでしょう。
そして、その効果に納得ができたら、
それ用のものを手に入れて、
はじめるのが良いでしょう。

ロッドは高価なものもありますが、
比較的安価で
しかも使いやすいものもあります。

いくつかご紹介しておきますので、
ご参考にしてください。

多くの競技者の意見が集約され作られており、
ひじょうに人気の高いロッドです。
10’6”という長さながら、
たいへん軽くできており、
1日中腕を高く持ち上げて釣りをしても
疲れることがありません。

ぼくも愛用しているものです。

 

ライン

ラインは
通常の、ウェイトフォワードや
ダブルテーパーの、
ロッドの指定番手のものを
使ってもよいのですが、

より本格的にやられるのなら、
専用のラインを使うと、
良いでしょう。

ユーロニンフィング用のラインは
たいへん細く、軽く作られており、
そのため、
ひじょうに敏感で、
わずかなストライクも見逃しません。

ユーロ・ニンフィング用の
ラインも以下にご紹介します。

コートランド・コンペティション・モノコア
コートランド・コンペティション・ブレイドコア

ラインは上記のようなユーロニンフィング専用のラインもありますが、
最近では通常のラインの先端に取り付けて、
素早く状況に合わせてリグを変更できる、
短いラインとリーダーのキットも登場しています。

リグ

リーダーやインジケーター、
その他のリグは
使う人により、
多少の違いはありますが、
基本的なシステムをご紹介します。

この釣り方は、
フライフィッシングの競技から生まれた
ということを書きました。

その競技のルールに
リーダーにフライを沈めたり、
浮かせたりするものをつけてはいけない
という項目があります。

そのため、リーダーに
スプリットショットや
かさばるインジケーター
などといった
”余分なもの”がついていない
きわめてシンプルなものとなっています。

そして、このことが
この釣りをきわめて効率的なものとしています。

リーダーやインジケーター、その他
細かい部分は人により
様々な違いはありますが、
基本的なシステムをご紹介します。

リグの一例を簡単な図にしておきます。
(へたな絵、文字ですいません<m(__)m>)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 43f08c0b8de8a7c50e53685ff1b390a4.jpg

リーダー

リーダーは
ノンテーパーのナイロンラインを使う人もいますし、
テーパーリーダーを使う人もいます
テーパーリーダーでも
ノットレス、ノッテッド様々なバリエーションがあります。

長さは10ft前後で使うことが多いようです。

インジケーター

リーダーの先には
フライの位置を確認するのと、
ストライクを取るための、
サイターとよばれる
いわゆるインジケーターが付きます。

多くの場合、オレンジやピンクとイエローといった
2色程度に染色されたナイロンラインやブレイデッドライン
あるいは2色のラインをつないでサイターとして使う人もいます。

ティペットリング

サイターの先には
ティペットリングと呼ばれる
小さな金属製のリングを結びます。
そして、この先にティペットを結びます。

このリングを使用することで、
比較的太いサイターに細いティペットを
結ぶことができるのです。

また、これを使用しないで
ティペットを結ぶと、
ティペットを結びなおすたびに、
少しづつ
サイターが短くなってしまいますので、
それを防ぐことができます。

SA ティペットリング
B07XBV7CS4
リバーピーク ティペットリング
B00TWUF5Y0

ティペット

ティペットは使用するフライのサイズに合わせ、
7x~4x程度が主に使用されます。

フライ

フライは通常2個、
あるいはそれ以上を使い、
一度に異なる水深を釣ります。

フライを素早く沈めるためには、
ショットを使う代わりに
フライにタングステン・ビーズヘッドを使ったり、
内部にレッドワイアを入れたりして、
フライ自体を重くして、
素早く沈むようにしています。
そして根がかりを防ぐために
ジグフックを使うケースもよくあります。

タングステン・丸型(穴は縦スリットタイプ)フライタイイング用ビーズ

タングステン・丸型(穴は縦スリットタイプ)フライタイイング用ビーズ
ジグフックに最適なスリットタイプのビーズヘッドです。

フライの構造はシンプルなものが多く、
このこともフライを素早く沈めることに貢献しています。

その他、あると便利な小物

必須というわけではありませんが、
持っておくと便利な小物を一つご紹介しておきます。

ユーロニンフィングでは、
通常ドロッパ―を使い、
2~3本のフライを使います。
使うティペットも渓流などでは、
7x程度の細いものを使うことも多く、
水深や水流などの変化に合わせて
それを頻繁に結び変える必要があります。

その細いティペットを結ぶのに便利な小物がこちらです。

これの使い方については、
下の動画でも少し説明しています。
(11:30あたりからです)

釣り方

ユーロ・ニンフィングの基本的な釣り方をご紹介します。

キャスティング

通常のフライフィッシングでは、
ラインの重さを利用して
キャストしますが、

この釣り方では、
ラインはほとんどロッドティップから出ていません。
そのため、ラインの重さを使ってキャストすることは
ほぼできません。

では、どうやってキャストするのかというと…

フライの重さを使ってキャストするのです。

フライという小さなおもり
を投げるイメージです。

これは、
フライフィッシングを長くやってきた人ほど
戸惑いが大きく、
慣れるのに
多少時間がかかるかもしれません。

リーダーが絡むなどのトラブルを
回避するために、
フォールスキャストは
極力しないようにします。

慣れないうちは
つい通常のキャスティングをしようとしてしまい、
思う場所にフライが届かなかったり、

複数のフライがつけられた
細いティペットの
絡みに悩まされることでしょう。

釣りをしている時間より、
絡んだティペットをほどいたり、
結びなおしたりしている
時間のほうが長く感じることも
しばしば・・・( ;∀;)

最も基本的で確実、
最初に覚えるべきキャストは
こんな感じです…。

一旦フライを下流に流し切り、
下流に伸び切った
ラインとリーダーを、
そのまま上流へ振り込みます。

フライの流し方

キャストの方向は
上流に向かって行います。

キャスト後は
ただちにロッドを高く持ち上げ、
ラインにたるみができないようにします。

フライを流している間、
目印であるサイターは
水面に接することなく、
常に空中にあります。

そして、リーダーにたるみができないよう、
テンションを保つようにします。

よくある例としては、
フライを沈めようとするあまり、
リーダーをたるませてしまうことがあります。

しかし、それでは
リーダーがたるんでいる間は
フライとのコンタクトがとれておらず、
その間に
仮に魚がフライをくわえたとしても
それに気づくことができません。

それどころか、
根がかりしていることにも気づかず、
投げるたびに根がかりして、
イライラがつのり、
「ロッドを放り投げてやろうか!」
と思った経験がある方も多いはず( ´艸`)。

たしかに、
フライを下流にキャストした場合は
ラインにテンションをかけると
フライはある程度以上沈まなく、
浮いてきてしまう傾向がありますが、

上流へキャストした場合は
テンションをかけていても
フライは沈みます。

そして、そうすることで
途中でフライが
底石などに触れたり、
魚がフライをくわえたりした場合でも
敏感に感じることができます。

ストライクの取り方

ストライク、つまりアタリは
さまざまな形であらわれます。
サイターが横に走ったり、
下に引き込まれたりというのは
かなり分かりやすい例です。

そのほかにも
サイターがわずかに”ためらったり”
場合によっては
よくわからないけど、
何かヘン…といった、
五感以上の第六感的な
違和感で現れる場合もあります。

とにかくそれら、
わずかでも変化を感じたときには
すかさずアワせるようにしてください。

この釣りでは、
理屈以上の何か、
ひじょうに感覚的な要素も
必要となります。

まとめ

ユーロニンフィングは、
特にある程度流れのある川で
ポイントに近づけるような釣り場では特に効果的、
ひじょうに釣れる釣り方です。

それだけに、釣り過ぎには気を付けてください。

それから、
この釣り方は、フライフィッシングとしては
ある種、異質のものです。

ですから、これからフライフィッシングを
はじめてみようという方よりも、
ある程度以上経験を積まれた方が、
それまでやっていたこととは別の、
新しいレパートリーとして
取り入れられることをお勧めします。

ロッドは10ft以上で軽い
専用のものがお勧めですが、
先ずはお手持ちの9ft程度で
軽いラインウェイトもので
試してみるのも良いと思います。

ラインも、
本格的にやるのなら、
専用のものが良いのですが、
これも、先ずは
お手持ちの、フローティングラインで
はじめてみてください。

この釣り方で最も気を付けることは、

フライは上流へキャストし、
キャスト後は直ちに
ラインのたるみをとり、
最後までフライトのコンタクトを保つよう、
テンションをコントロールすること。

サイターにわずかでも
変化を感じたら、
ためらわず合わせること。

常に高い集中が必要です。

…ともあれ、
いろいろ理屈を考えていても
はじまりません。

何か、新しいことをするのは
ワクワクして、
楽しいものです。

先ずは試してみてください。

また、このユーロニンフィングについては、
折を見て、
記事をあげていきたいと思っています。

記事についてのご要望など、
ありましたら、
コメントをいただけたら、
今後の参考にさせていただきたいと思います。
また、私の励みにもなりますので、
よろしかったら、ぜひお願いします!

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