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シャローエリアのクロダイ釣り革命:クリアラインの種類と適性比較


シャローエリアのクロダイ釣りの挑戦

フライフィッシングの中でも、シャローエリアでのクロダイ釣りは最も挑戦的で魅力的な釣りの一つです。

警戒心が強く、鋭い視覚を持つクロダイを追う中で、クリアライン技術は革命的な進歩をもたらしました。

本記事では、シャローエリアでのクロダイ釣りにおけるクリアラインの効果と、その特徴を詳しく解説します。

シャローエリアでのクロダイの特徴

クロダイは条件さえあえば、餌の捕食のために驚くほどの浅場に上がってきます。

その水深は時にくるぶしほどしかないこともよくあります。

そんな浅場にやってくるクロダイには以下のような特徴があります。

影への過敏な反応

シャローエリアに出て捕食しているクロダイは、鳥などの天敵に襲われるリスクを冒して
そのような場所に出てきています。

ですから、空中を飛ぶ物体に対して、たいへんな警戒心をはらっています。

空中から襲ってくるものを感知する最も確かで素早い信号は影です。

素早い動きをする影がわずかでも落ちればクロダイは猛ダッシュで逃げて行ってしまうのです。

限られた逃げ場

浅い水域では逃げる場所は横方向に限られます。

空中から襲われた魚に取って最も確実な逃げ場は下方向、
つまり深場へ潜るのが適から逃れるのにより確実な方法なのですが、
それが奪われてしまっている状態なので、水深がある場所よりも、
ナーバスになっています。

クロダイの視野

浅場に出ているクロダイは、ほとんどの場合海底を這っているカニやエビそれからヤドカリ、
巻貝など底を張っているものやアサリなどの底に潜っている物を捕食しています。

ですから、エサを採るための注意は常に海底に注がれているのです。

多くの場合、魚はその目の構造などから自分がいる位置よりも上を見ているのが普通で、
それよりも下を見ていることは稀で、
この場合は少し特殊なケースだといえます。

このようなケースではクロダイたちは身体を水平よりも下向きの姿勢をとり、
時に逆立ちをするような格好になります。

シャローエリアでこのような姿勢をとると、時に尾は水面より上に出てしまうことがあります。

これがいわゆるテーリングという現象です。

魚の位置を特定して、それを釣るサイトフィッシングでは
このテーリングは魚を発見する絶好のサインとなります。

しかし、このテーリングをしている魚は先にご説明したように、
水平ではなく、通常よりも下を向き、非常に浅い目の前の底だけを見ているため、
その視界はたいへん狭いものとなっています。

ですから、そんな魚を釣るためにはその狭い視界に確実にフライを届けなくてはなりません。

そうでなければ、フライの存在に気がついてもくれないのです。

しかしそれは同時にクロダイがフライの存在に気が付く前に、
フライラインの存在に気づかれてしまう危険性もはらんでします。

クリアラインがクロダイ釣りにもたらす革新

警戒心が強い、シャローフラットのクロダイの釣りにおいて、
近年クリア、つまり透明なラインが使われることも多くなってきています。

ここではこの釣りにおけるクリアラインの特徴や、使い分けなどについてご紹介します。

究極のステルス性

クリアなラインはその見えにくさから、ナーバスな魚に対して絶大な効果を発揮します。

このタイプのラインはキャスト中、その影をほとんど水面に落しません。


ですから、このようなラインは空中からの影に常におびえている
シャローエリアのクロダイをスプークさせてしまう危険性を軽減してくれます。

また、水面上にあっても海底に影を落とさない特徴は、
やはりアドバンテージが高いといえますし、
キャストの角度によっては魚の近くをラインが通ることもあるのですが、
その存在が水中に溶け込むクリアラインはやはり違和感が少ないといえます。

クリアラインの種類とクロダイ釣りでの適性比較

シャローエリアでのクロダイ釣りにおいて効果的なクリアラインは大きく分けて2種類あります。

オールクリアフローティングラインとクリアティップフローティングラインです。

透明なフライラインはもうかなり以前からありました。

しかしそれらの多くはインターミディエイト、つまり少し沈むラインがほとんどでした。

ですがそのようなラインはシャローフラットでは使いづらいものでした。

ごく浅い釣り場ではラインが沈み見すぎてしまい、ねがかりが多発してしまいますし、
魚を発見してもラインをピックアップすることができる長さまで
ラインを引き込んでからキャストしなくてはならず、
素早いリキャストが困難なのです。

そんなクリアラインにフローティングタイプの物を市場にいち早く提供したのがモニクです。

モニクはその意味でたいへん先駆的なメーカーだといえます。

そして、近年ではリオやサイエンティフィックアングラーズ、コートランドなどもクリア・フローティングラインを続々と市場に投入し出しました。

これにより、フローティングラインの新たな可能性が広がりました。

そんなクリア・フローティングラインですが、前出のようなタイプにより異なる特性を持ち、
釣りの状況によって適性が変わります。

オールクリアフローティングライン

代表製品

モニク アドバンスド・クリアプラス

リオ プレミアフラッツ クリアフローター フルクリア

特徴

– 全長がクリア(透明)で、フローティングタイプ

– 最大限のステルス性を提供

クロダイ釣りでの効果

オールクリア、つまりライン全体が透明なラインは最も見えずらい、
つまりステルス性の高いラインだといえます。

ですから以下のような条件でたいへん大きな効果が期待できます。

– 広範囲を探るような釣りスタイルに適している

– 極めて透明度の高い水域や、非常に警戒心の強いクロダイを狙う場合に有効

しかしそのことは反面、釣り人からも見えずらいラインだとも言えます。

つまり、キャスト中やキャスト後のラインの位置やその状態を視認することが難しいのです。

そしてそのことはつまりフライの位置の把握が難しいということでもあります。

魚を特定し、それに対して正確なプレゼンテーションとフライの操作が必要とされる
サイトフィッシングではこれは大きなデメリットだと言わざるを得ません。

そして、ランニングライン部分も透明なこのタイプのラインは、
釣りをしている時にその状態が見ずらいといえます。

ですから、不用意にラインを踏んでしまったり、絡んでしまったり、
またそのライントラブルを解消するのが、視認性の高いラインと比べるとやや扱いが難しいといえます。

ですから、クリアな水のシャローフラットの釣りの中でも
フライの詳細な位置把握の必要がなく、キャストの距離なども頻繁に変化することのない
ブラインドフィッシングにおいてこそ、このラインの有効性は最大限に発揮できるといえます。


クリアティップフローティングライン

代表製品

リオ  プレミアフラッツ・クリア・フローター クリアティップ

モニク ファントムティップ・ボーンフィッシュなど

特徴

– 先端部分のみがクリアで、残りは視認性の高いカラー

– 全体がフローティングタイプ

クロダイ釣りでの効果

ラインの多くの部分が透明ではなく、先端部分だけがクリアなこのフローティングラインは、
クリアラインのステルス性を生かしながらもラインやフライの位置、
その状態を把握することが容易なため、
ブラインドよりも正確なコントロールが必要なサイトフィッシングにおいて、
たいへんな効果が期待できます。

また、ランニングラインも見やすいため、ライントラブルも回避しやすいといえます。

ですから、このタイプのラインは以下のような条件での使用が適しています。

– シャローフラットの神経資質なクロダイを目視で確認しながら釣る、サイトフィッシングに最適

– 精密なプレゼンテーションに適している

上記以外のクリアライン

上記のフルクリア、クリアティップのフローティングラインの他に、
もう1つシャローフラットでの釣りに適したクリアラインをご紹介します。

リオのエリート・フラッツ・プロ。

それのステルスティップというモデルです。

これは先端6ftつまり1.8mほどだけがクリア・インタミのタイプのラインです。

前述した通り、クリアのラインでもインターミディエイトのラインは沈みすぎてしまい、
シャローフラットの釣りで使いづらいものなのですが、
その部分がごく短いこのタイプのラインはちょっと話が別です。

6ftと極端に短いインタミティップは必要以上に沈みすぎてしまうわけではなく、
むしろリーダー部分をリトリーブご直ちに水中に沈めてくれる効果があります。

ラインシステムのかなでリーダー部分は最も沈みずらい部分で、
たとえ沈みやすいと言われているフロロカーボンを使ったとしても、
着水後は少しの間浮いていることがままあります。

これが浮いていると、それのメニスカスが作り出す影により、
クロダイに警戒心を与えてしまうことがあるのです。

ですが、このラインでしたら、少しリトリーブをするだけで
そのリーダーを素早く沈めて目立たなくしてくれる効果があるのです。

それから、このラインは風が強い時に特にその効果を発揮します。

風が強い時にはキャスト後の水面上のラインも風に吹き流され、
それがフライを引っ張ってしまい、意図しない動きをフライに与えてしまいやすいのです。

ですか先端部分が少し沈むこのラインでは、そのティップ部分がアンカーとなり、
ラインとフライが吹き流されることを防いでくれます。

これらの効果は絶大なのですが、使ってみないとわからないかもしれません。

一度だまされたと思って使ってみられることをお勧めします。

ただ、このラインも万能だというわけではなく、
極浅い場所で、ウィードが多い場所ではそれを拾ってしまう確率が高くなる
という欠点はありますのでご注意を。

まとめ:状況に応じたクリアライン選択の重要性

シャローエリアでのクロダイ釣りにおいて、
オールクリアフローティングラインとクリアティップフローティングラインは、
それぞれ異なる状況で真価を発揮します。

オールクリアラインは究極のステルス性を提供し、
ブラインドフィッシングや極めて警戒心の強いクロダイを狙う際に効果的です。

一方、クリアティップラインは、サイトフィッシングや精密なプレゼンテーションが
必要な状況で力を発揮します。

また、風が強い場合にはラインの極先端部分がクリアインタミのステルスティップが
絶大な効果を発揮します。

アングラーは、釣り場の条件、クロダイの状況、そして自身の釣りスタイルに応じて、
これらの革新的なラインを使い分けることで、より効果的なフィッシングを楽しむことができます。

クリアライン技術の進化は、シャローエリアでのクロダイ釣りに新たな次元をもたらし、
かつてない挑戦と喜びを提供しています。

次回のクロダイ釣りでは、状況を見極めて適切なクリアラインを選択し、
シャローエリアのクロダイとの静かな駆け引きを楽しんでください。

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シングルハンドロッドのツーハンド化


10ft、#4のシングルハンドロッドをツーハンドで使いたいので
改造してほしいとのご依頼をいただきました。

元々のグリップはこのようなものです。

これのメインのグリップを少し長くし、
リールシートの下に脱着可能なローアーグリップを付けるというものです。

出来上がりはこのような感じなりました。

これで必要に応じてツーハンドでも、シングルハンドでも
使い分けすることができるスウィッチロッド的な
ライトスペイロッドになりました。

あなたも何か改造したいロッドがありましたら、
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

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    CTS クォーツTT 8’6″ #5のカスタマイズ


    CTSにユニディレクショナル・ハイモデュラス・Sグラスを使った
    ブランクにクォーツというシリーズがあります。

    グラス特有のしなやかでスムーズなアクションでありながら
    グラファイトのようなキャストのし易さを併せ持っている
    たいへん人気のあるシリーズです。

    クォーツのラインナップについては下をご覧ください。

    そのクォーツ・シリーズのバット部分を強化したモデルがあります。

    それが今回制作したクォーツTTです。

    バット部分を強化することで、特にソルトウォーターでの
    強力なファイトにも対応できるものとなっています。

    クォーツTTについてはこちらもご覧ください。


    このクォーツTTシリーズ、通常のラインアップには8’6” #5という
    スペックのものは入っていないのですが、
    お客様にお問い合わせをいただき、確認したらできるとのこと。

    そのブランクを取り寄せ、コルクはノーマルよりも1つ上のグレード
    フロアで作らせていただきました。


    今回はオプションでロッドケースをつけさせていただきました。

    お客様より以下のようなコメントをいただきましたので、
    ご紹介せていただきます。

    本日竿を受け取り、早速釣りに行きました。

    とても扱いやすい竿で、仕上がりにも満足しました!

    また、ロッド購入の際は宜しくお願いします。

    北海道在住 N様

    他にも様々なカスタムビルドに対応しておりますので、
    お気軽にお問い合わせください。