芝生でのパフォーマンスタスク:セクション1A
タスク1:オーバーヘッドキャスト(ナローループ)
簡単な説明の後、ナローループのフォルスキャストを6回行います。ラインは50フィートです。
このタスクで期待されることは、CIのタスク1とほぼ同じです。
違う点はラインの長さが50フィートになっていることと、ループの幅が3フィート以下となっている点です。
このループ幅は、ライン先端がロッドティップを通過する辺りで、ループ先端から3~4フィートの地点で計ります。
この、ループ幅3ft以下というのはなかなかに厳しい課題で、ロッドのアクションによってはほぼ不可能な場合もあるのではないかと思います。
ウルトラタイトループ
では、どのようなロッドがナローループを形成するのに向いているかといえば、皆さん直感的にお分かりになっているかと思いますが、ティップが軽い、ファストアクションのロッドの方がよりナローなループを形成しやすいといえます。つまり、ロッドのアクションによって、作ることができるループの幅にある程度の限界があるといえます。しかし、ちょっとしたテクニックというか、コツをつかむとそれを超えたナローループを作ることも可能ではあります。
そのテクニックを使って、同じロッドでキャストしたのが次の動画です。
比較しやすい様に、ラインをトレースした静止画にしてみました。
以下でそのテクニックをご紹介します。
このテクニックは私が知る限り、スティーブ・レイジェフ氏をはじめとした多くのアメリカ人トーナメントキャスターやその影響を受けたキャスタスターが良く使うテクニックだと思います。
ストローク中のロッドティップのSLP(直線的な軌跡)はタイトループ、ナローループには必須ですが、その後のロッドを止める時、ただ単に止めるのではなく、ロッドシャフトの方向に突きながら、少しロッドティップを持ちあるげるよう様にすると、この極端に狭いループを作ることができます。感覚的にはターゲット方向にロッドティップを突くようにするといっても良いでしょう。
これはどういうことかというと、一般的にナローループを作るにはストローク後のロッドストップを急激にするほど、よりナローなループを形成することができます(これもストローク中のロッドティップのS.L.P.が実現できていることが絶対条件ですが…)。この場合、ロッドを止めた次の瞬間からストロークにより曲げられていたロッドが復元し、ロッドが真っ直ぐの状態になった(R.S.P.{Rod Straight point})あたりからラインはロッドを追い越し、ループを形成して飛んでいきます。このストップが急激であった場合、その地点からロッドは自らの質量の慣性でそれまでと逆方向へ曲がります(カウンターフレックス)。最大まで曲がり切った地点からまた復元し、真っ直ぐの状態に戻るのですが、このカウンターフレックスで最も曲がった時のロッドティップと、ラインが放出された時のロッドティップの高低差がループ幅になります。
この、カウンターフレックスの度合いがロッドのアクションによってまちまちで、それがループ幅の限界となっています。当然ティップが軽くリアクションの早いファストアクションのロッドは、ティップが重く大きく曲がるアクションのロッドに比べこのカウンターフレックスが小さいため、より狭いループを形成しやすいと言えるのです。
これが先ほどのテクニックを使った場合はこのようになります。
この写真のようにロッドをストップする時に、同時上に突き上げながらこれを行うと、カウンターフレックスでロッドティップが下に下がる分をロッドを持ち上げることでより少なくしています。また、カウンターフレックス自体もより少無くなっています。これはロッドシャフトに沿って突き上げるということはロッドティップを持ち上げるのと同時にロッドのカウンターフレックスの力を下ではなく、前つまりキャスト方向に逃がしていることによるものと思われます。
これを文章にしているのは、私はあまり見たことがなくSoon S. Lee氏がその著書Fly Casting: LOOP DYNAMICSでそのことに触れているのを見たのが初めてでした。ここにその原文をご紹介します。
Ultra-tight loop: The loop may be made narrower than tight. Rod tip counter-flex may be calculatedly restricted by stiffening the rod shaft during “stop” so that the rod bend is limited to the very distal end of the rod. This is accomplished by a thrusting ( often assisted by lift) of the rod shaft along its axis at the end of casting stroke as the caster “runs out of arm”. It helps to have a highly energized upper leg to draw the lower leg close. Also, stopping the rod tip high minimizes the vertical distance between the point of line launch and maximum counter-flex.
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