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最適なラインバスケット選びのガイド


フライフィッシングにおいて、キャスト後のラインの処理は、
スムーズな釣りを展開する上で非常に重要です。

特に足元に岩や小枝などが多かったり、
サーフなど波のある場所で立ちこみをするなどといった、
手繰ったラインが絡みやすい環境下では、
ラインの処理に苦労することも少なくありません。

そんな時に役立つのが「ラインバスケット」とか「ストリッピングエイド」
などと呼ばれる道具です。

ラインバスケットとは?

この道具は、フライラインをリトリーブ(手繰り寄せる)する際に、
ラインを一時的に溜めておくための道具です。

これにより、手繰ったラインを足元に落とす必要がなくなり、
足元でラインが絡まったり、風に煽られたりするのを防ぎ、
快適な釣りをサポートしてくれます。

ラインバスケットのメリット

ラインバスケットを使用することには、以下のようなメリットがあります。

  • ラインの絡みの軽減
    リトリーブしたラインが足元や障害物に絡まるのを防ぎ、
    スムーズな次のキャストを可能にする。
  • 飛距離の向上
    ウェーディング時、ラインを水面につけることなく手繰ることができるため、
    キャスト時の抵抗が減少し、飛距離アップにつながる。
  • 風の影響の軽減: 手繰ったラインが風に煽られることによるトラブルを軽減する。
  • 集中力の維持: ライントラブルから解放されることで、釣りに集中しやすくなる。

ラインバスケットの種類と選び方

形状

ラインバスケットは、リトリーブしたフライラインを保持する方法によって、
大きく分けて二つの形状があります。

  1. バスケットタイプ
    縁のある容器状の形状で、リトリーブしたラインをその内部に溜めておくタイプ。
  2. プラットフォームタイプ
    平らなプラットフォームに、シリコーンやプラスチック製の棘(スパイク)が複数配置された形状で、
    ラインをこれらの棘に引っ掛けて保持するタイプ。

各タイプの特徴とメリット・デメリット

それぞれのタイプには異なる特徴があり、
使用する状況や釣り人の好みによって適したタイプが異なります。

1. バスケットタイプ

特徴:
  • 箱型またはバケツのような形状で、縁があるためラインをしっかりと保持できる。
  • スパイクがないシンプルな構造のものや、
    手繰ったラインがバスケット内部で絡まないように、
    スパイクなどの突起があるのものがありますが、
    現在ではそのような突起を備えたものが主流となっている。

メリット:
  • 高いライン保持力
    風が強い状況や、移動しながら釣りをする際でも、
    ラインがバスケットから抜け落ちにくい。
  • 優れた絡み防止効果
    特に内部に突起があるものは、ラインが絡まるのを効果的に防ぐ。
  • 多様な素材と形状
    種類が多く、用途や好みに合わせて、
    様々な素材や大きさ、深さの製品から選ぶことができます。

デメリット:
  • やや嵩張る
    プラットフォームタイプに比べると、一般的にサイズが大きく、
    持ち運びや収納にやや難あり。
  • 重量感
    プラットフォームタイプよりもやや重くなってしまう。

お勧めのバスケットタイプ

KEEPER ストリッピングバスケット

¥8,800 ¥8,000

岩場など足場の悪い場所や、サーフなど足元にラインを置けない場所では必携です。

在庫あり

2. プラットフォームタイプ

特徴:
  • 平らなプラットフォーム上に、複数本のシリコーン製または
    プラスチック製の棘(スパイク)が立っているタイプ。
  • リトリーブしたラインをこれらのスパイクに引っ掛けて保持する。
  • 軽量でコンパクトなものが多い。

メリット:
  • 軽量・コンパクト
    持ち運びや収納に優れており、身軽に釣りをしたい場合に適している。
  • 開放感
    バスケットタイプのような閉塞感がなく、開放的な感覚で使用できる。

デメリット:
  • 風に弱い
    強風下では、手繰ったラインがスパイクにかからず、
    外れてしまうことがある。
  • 保持
    バスケット タイプでは、手繰ったラインが
    すべてバスケット内に保持されるのに対して、
    このタイプでは手繰ったラインの一部が下に垂れ下がる。

    そのため、波のあるサーフやディープウェーディング時などでは、
    そのラインが水に接するため抵抗が増えて、飛距離が落ちたり、
    波によりラインが絡む危険性がある。
  • スパイクの耐久性
    スパイクの素材や形状によっては、
    使用頻度や負荷によって劣化・破損する可能性がある。

お勧めのプラットフォームタイプ

ラインマスター

¥17,600 ¥16,000

折り畳み式で、たいへん使いやすい
フライラインストレージです。

在庫あり (お取り寄せができます)

どちらを選ぶべきか?

どちらのタイプを選ぶかは、あなたの釣りのスタイルや環境によって異なります。

  • 安定性を重視するなら
    風の強い場所や、移動の少ない状況での釣りが多い場合は、
    ライン保持力の高いバスケットタイプがおすすめです。

特に、サーフでの釣りや、風の強い状況下での釣りではバスケットタイプが有効です。

  • 軽量性・コンパクトさを重視するなら
    遠征などといった、できるだけ荷物を減らしたい遠征や、
    足元が不安定で身軽に動きたいなどといった場合には、
    プラットフォームタイプが適しています。

ラインバスケットの使い方

ラインバスケットの使い方は簡単です。

  1. ラインバスケットを付属のウェストベルトを使い、
    腰の適切な位置に装着します。
    この位置はお好みの位置でよいのですが、
    身体の中心よりもラインハンド側にやや傾けて、
    低い位置に装着するのが使いやすいと思います。
  2. キャスト後、リトリーブする際に、ラインをバスケットの中や、
    プラットフォームの上に乗るように置きます。
    この時、一か所にまとめておくよりも、少しばらけるように
    位置をずらしながら手繰ると、キャストした時に絡みにくくなります。

まとめ

ラインバスケット、ストリッピングエイドは
フライフィッシングの快適性を大きく向上させる便利なアイテムです。

特に、風が強い日や、足元に障害物が多い、
ライントラブルが起きやすい状況下ではその効果を実感できることでしょう。

ご自身の釣りのスタイルや環境に合わせて、
最適なラインバスケットを選んで、
より快適なフライフィッシングライフを楽しんでください。


このまとめ記事が、あなたのラインバスケット選びの参考になれば幸いです。

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スペイフィッシングにおけるマルチデンシティラインの効用


はじめに

マルチデンシティラインとは

マルチデンシティラインとは、一本のラインの中に
複数の異なる比重(デンシティ)を持つよう設計されたフライラインです。

単一の比重ではなく、セクションごとに異なる沈降特性を持たせることで、
より効果的な釣りを可能にします。

スペイフィッシングにおいて、このラインは水深や流速の変化に対応しながら
理想的なフライの動きを実現するための重要なツールとなっています。

スペイフィッシングにおけるラインの重要性

スペイフィッシングでは、ラインの選択と操作がその釣果を大きく左右します。

従来の単一デンシティラインでは対応できない複雑な水流や深度の変化に対して、
マルチデンシティラインは革命的な解決策を提供しています。

マルチデンシティラインの構造と種類

基本構造と設計思想

マルチデンシティラインは通常、ティップ部分から
順に異なる比重を持つセクションで構成されています。

典型的なデザインでは、水面に浮くフローティングセクションからスタートし、
中間部分はゆっくりと沈むインターミディエイト、
そしてティップ部分は速く沈むシンキングというように配置されています。

このデザインにより、キャスティングのパフォーマンスを保ちながら、
スウィング中の使いやすさや操作性を向上させることができます。

代表的なマルチデンシティラインの種類

市場には様々なタイプのマルチデンシティラインが存在します。

最も一般的なのはフローティングのボディにインターミディエイトの中間部があり、
その先がさらに比重が高くなる構成ですが、
他にもボディがインターミディエイトやさらに比重の高いものから始まり
先端に向けてさらに比重が高くなっているも、
さらには先端部分はインターチェンジャブル、
つまり、状況に合わせて様々な比重のシンクティップに
交換できるタイプなどがあります。

典型的なマルチデンシティラインのイメージ図。
通常は先端に向かって段階的に比重が高くなっている。

シンクレートの測定方法と表記

シンクレートは通常、1秒間に沈む距離をインチ(IPS:Inches Per Second)で表します。

例えば、Type 3は1秒間に3インチ沈むことを意味します。

製造メーカーによって表記方法が異なることもあり、
数字(Type 1-8)で表現される場合もあれば、
具体的なIPS値が記載される場合もあります。

シンキングライン表記沈下速度(IPS)沈下速度(cm/秒)
S-1 / Type 11.0 – 2.0約2.5 – 5.0 cm/s
S-2 / Type 21.5 – 3.0約3.8 – 7.6 cm/s
S-3 / Type 32.5 – 4.0約6.4 – 10.2 cm/s
S-4 / Type 43.5 – 5.0約8.9 – 12.7 cm/s
S-5 / Type 54.5 – 6.0約11.4 – 15.2 cm/s
S-6 / Type 65.5 – 7.0約14.0 – 17.8 cm/s
S-7 / Type 76.5 – 8.0約16.5 – 20.3 cm/s
S-8 / Type 87.5 – 9.0約19.1 – 22.9 cm/s

シンクレートは水温や水質でも変化します。

例えば同じラインでも水温が高ければ水の比重は小さくなるため、
ラインのシンクレートは速くなり、
淡水よりも海水の方が水の比重が大きくなるため、
シンクレートは遅くなります。

つまり、同じラインでも、水温が高い時よりも低い時が、
また、淡水よりも海水の方が沈み方はそれぞれ遅くなります。

マルチデンシティラインの特徴

スウィング中の利点

マルチデンシティには様々なタイプがありますが、
大別すると、ボディの部分がフローティングのタイプと、
シンキングのものとに分けられると思います。

前者のタイプはシンクティップを、
後者はフルシンクのラインをそれぞれファインチューニングした
ものだといえます。

ぼくはフローティングボディのマルチデンシティラインを主に使用しています。

このタイプのラインは、ボディの部分が浮いているので
ラインの位置が確認できるため、その延長にあるフライの位置の
把握も容易で、フルシンクよりも使いやすいと考えるからです。

この特徴は、もちろん通常のシンクティップラインでも
同様のことは言えますが、
それよりもスムーズなカーブでラインを沈めることができます。

通常のシンクティップでは、ヒンジのように
ティップの継ぎ目から急角度で沈む形になりますが、
マルチデンシティではそれが緩やかな角度になります。

シンクティップ
マルチデンシティ

各ラインの水中での状態のモデル図。
左が通常のシンクティップ、右がマルチデンシティ

ぼくがこのような沈み方を好むのは、
ラインの形状がより直線に近いので、
感度が良くなるというのが理由の一つです。

水中のラインが直線に近い形になれば、
間にスラックがあまりないので、
感度が向上するのです。

魚のストライクはもちろん、
障害物にフライが触ったり、
木の葉など流下物に触るだけでも
時にも敏感に感じ取ることができます。

それから、フライの深度を保ちやすいというのが
もう一つの理由です。

ラインに加わるテンションが強くなると、
通常のシンクティップではフライは水面に向かって
浮き上がってきてしまいますが、
マルチデンシティではこのようなことは
起こりにくくなります。

よくあるケースでは、
スウィング中、ラインに強いテンションがかかると
通常のシンクティップでは
フライの深度は浅くなってしまいますが、
マルチデンシティではフライの深度を最後まで
保つことができるのです。

各ラインに同じ水流がかかった場合、左の通常のシンクティップの方が、
右のマルチデンシティよりも浮き上がろうとする力が強くかかる

ただ、これは釣り場の地形によりどちらが
有効かということは変わります。

遠浅の地形では通常のシンクティップのように
地形に合わせてフライが浮き上がってくれた方が
手前までフライが根がかりすることなく釣ることができますが、
マルチデンシティでは途中で根がかりしてしまうので、
スウィングの途中でラインを回収して
キャストし直さなくてはなりません。

また、キャストする距離によって
使い分けるという考え方もあります。

キャストする距離が比較的近い場合には
通常のシンクティップにして、
そのティップは比重の高いものを使うと、
釣りの効率が良くなります。

キャストする距離が短いということは
スウィングさせる距離や時間も短くなります。

ですからキャスト直後に素早く沈め
短いスウィングで、素早いテンポで釣れる
シンクティップが効率が良いでしょう。

これはスカジットラインシステムの
基本的なコンセプトの1つでもあります。

反対にキャストする距離が長い場合には
スウィングする距離や時間は長くなります。

このような場合はマルチデンシティのライン
が向いています。

これにティップは通常のシンクティップよりも
低比重のものを使うのが良いでしょう。

スウィングの距離が長いので、
長い時間をかけて望みの水深まで
フライを沈めることができます。

また、沈む部分が長いので、
テンションがかかった時に浮き上がることが
少ないので、フライの深度を保ちやすく、
広い範囲を一度に探ることができます。

ですから、キャストする距離が比較的短く、
狭い流れの筋を素早く探っていく場合には
通常のシンクティップが、
距離が長く、広い範囲をフライの深度を保って
探るに時にはマルチデンシティが向いています。

また、後者の場合にはフルシンクのラインも向いています。

しかし、フルシンクのラインは当然のことながら
ラインはすべて沈んでいるため、その位置の把握は
ランニング部分の位置と方向で想像しなくてはなりません。

しかし、ボディがフローティングの
マルチシンクでしたら、フルシンクのように
広い範囲を探ることができるし、
ボディが浮いているので、ラインの位置や状態を
把握でき、それによりフライの位置やスウィングの
状態もより把握しやすいというメリットがあります。

それから全長にわたって同じシンクレートの
フルシンクのラインはその沈み方というか、
沈んだ時のラインの形状はラインの途中が
下に膨らむようなカーブを描きます。

シンクレートが同じなら
ラインは同じスピードで沈むのだから、
このようになるはずがないと思えますが、
実際にはこうなります。

それは、フライやリーダーと
ロッドがライン両端が抵抗となっているためです。

電柱にかかった電線を想像していただけば
分かりやすいでしょう。

このような状態でフライを流すと、
フライとのコンタクトが若干失われやすくなります。

つまりシンクティップとは別の意味で
感度が損なわれてしまうのです。

そのためには、沈んでいるラインの形状を
直線に近い形にする必要があります。

マルチデンシティは、その解決策の一つとなります。

マルチデンシティのラインには
ボディがフローティングのもの以外に
この部分もシンキングのものもありますので、
より深く沈めたい場合にはこのタイプのラインがお勧めです。

つまり、フローティングボディのマルチデンシティラインは
シンクティップとフルシンクの中間的な使い方ができ、
シンキングボディのタイプはフルシンクのように
よりフライの深度を長く保ってスウィングさせながら、
フルシンクよりもフライとのコンタクトを
より高度に保つことができます。

キャストにおける利点

キャストした時のループ形状は比重が変わらない
通常のフルシンクや、ここでは比較にあげていませんでしたが
フローティングのラインが最も安定して良い状態を保てます。

途中でラインの比重が高くなると、その部分のラインは
より速いスピードでターンしてしまい、
オーバーターン気味になってしまうのです。

これは途中で急に比重が変わるシンクティップが
最も極端にそれがあらわれます。

マルチデンシティは比重の変化が緩やかなので、
シンクティップよりはそれがマイルドになりますが、
やはりその傾向は残ります。

ラインはターンが完了したらそれ以上は
飛びませんので、当然のことながら
それは飛距離にも表れます。

なので、最も安定して飛距離が得られるのは
フルシンク、次にマルチデンシティ
そして、シンクティップはこの点において
最も不利だといえます。

まとめ

以上、本流でのスペイフィッシングにおける
マルチデンシティラインの特徴を、
やはり本流でよく使われるシンクティップや
フルシンクのラインとの対比でご説明しました。

マルチデンシティが万能というわけではなく、
それぞれ一長一短はあるのですが、
このタイプのラインを使うことで
ぼくのスペイフィッシングの在り方は
大きく変わったのは事実で、
今では最も多くのケースでこのラインを使っています。

ぜひあなたも一度お試しください!

お勧めのマルチデンシティライン

以下にぼくがお勧めするマルチデンシティラインを
いくつかご紹介しておきます。

ネクストキャスト

まずご紹介するのは、ネクストキャストのラインです。

サン・フランシスコで毎年開催されている
スペイキャストの競技、スペイ・オ・ラマでの優勝経験のある
サイモン・シェイがプロデュースしているブランドです。

その中で、ぼくがお勧めするマルチシンクラインは
ゾーンと、コアのシリーズです。

ゾーンはスカンジ・タイプのラインで、
そのなかでも2Ðは状況に合わせてティップを交換する
インターチェンジャブルタイプ、
3Ðはティップも一体型のタイプです。

コアのシリーズはスカジットライン。
用途に合わせて3種類の長さが用意されています。

ネクストキャストのラインは、デザイン・コンセプトがユニークで、
ゾーンはスカンジ、コアはスカジットということになってはいるのですが、
どちらもスカジット、スカンジの中間的な性格を有しており、
シングルスペイのようなエアボーンアンカーのスタイルでも、
スカジットのようなサステインドアンカーのタイプでも
どちらでも優れたパフォーマンスが得られます。

ゾーン2D

¥18,150

スカンジのようにスムーズにキャストできながら、
スカジットのようにパワフルなシューティングヘッド・スペイラインです。

ゾーン3D

¥20,790

3種類のシンクレートが組み合わされたトリプルデンシティの
スペイ用シューティングヘッドです。

Core 16

¥18,480

ネクストキャストの
ショートヘッド・スカジットラインです。

Core 23

¥18,480

コア23は、ネクストきゃストが2021年
新たにプロデュースした
ミディアムレングスのスカジットラインです。

Core 30

¥18,480

コア 30は、ネクストキャストの
ロングヘッドのスカジットラインで、
長めのロッドに適合します。

リオ

アメリカを代表する3大メーカーの1つ、
リオからも2種類のマルチデンシティラインが発売されています。

リオのマルチデンシティラインはネクストキャストよりも
さらに複雑で、ネクストキャストは2種類の比重+ティップという構成ですが、
リオのそれは3種類+ティップとなっています。

ゲームチェンジャーはネクストキャストのゾーンと同様、
スカンジながらスカジットの力強さも備えており、
ピックポケットの方はより純粋なスカジットラインとなっており、
ヘビーシンクティップやヘビーフライを最もキャストしやすい
デザインとなっています。

RIO Elite GameChanger Body

¥11,000

あらゆるキャスティングスタイルに対応し、
表層近くから非常に早い流れの底までのあらゆる深度において
スウィングをコントロールすることができる、
マルチデンシティのシンキング・シューティングヘッドです。

RIO EliteSkagit Pickpocket

¥11,000

3種類のシンクレートを組み合わせた、マルチデンシティのスカジット・シューティングヘッド

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6ピースロッドの修理


お客様との出会い

ある日、一人のお客様からロッド修理のご依頼のメールが入りました。

「大切に使っているものなので、何とか復活させてたい」とのことでした。

被害状況の確認

ロッドを拝見すると、グリーン系の美しい塗装が施された6ピースの高級カーボンロッド。

#1セクションが完全に紛失し、#2セクションも途中で折れて一部が無くなっていました。

でも、残りの#3〜#6セクションは素晴らしいコンディションで、このロッドへの愛着が感じられました。

修理プランの提案

#1セクションは完全にない状態で、もともとのアクションを把握することができないので、
どの程度までそれを再現できるのか、不確定要素も多いのですが、可能な限りそれを実現するべく、
いろいろ検討して、以下のような修理方法をとることにしました。

  • .#1セクションは手持ちのブランクの中から、残っている♯2セクションと会う内径と
    アクションのものを選び出し使用。
  • .♯2セクションはこのっている部分はできるだけ使用し、欠損している部分を
    やはり手持ちのブランクから切り出し、接続。

実際の修理作業

1.#1セクションの選び出し

  • 手持ちのブランクの中から残っている♯2セクションに会うものを選び出し、
    長さを調節してフェルール部分にカーボン繊維を巻き付け補強

2. #2セクションの修正作業

  • 折損部分をクリーンカット
  • 欠損部分を補う部分のブランクを切り出し接続

2. アクションの調整

  • 新たに作った#1セクションと、修正後の♯2セクション、
    それから#3以降の適合確認
  • ガイド位置の設定
  • 全体的なアクションバランスの確認

3. 仕上げ

  • オリジナルのブランクカラーに近いカラーに塗装
  • 新規ガイドのラッピングと塗装

エピローグ

出来上がったロッドはこのような仕上がりになりました。

新たに作った#1セクションと、♯2セクションの継ぎ足した部分ののカラーは
オリジナルのものとは少し違いますが、ある程度近づけられたのではないかと思います。

アクションも、本来のものは想像するしかありませんが、
違和感はない状態には仕上がったと思います。

まとめ

一見修理不可能に思える破損でも、諦めずに対処すれば、
また釣りのパートナーとして活躍してくれる可能性があります。
もちろん、完全な元通りの復元は難しいものの、新たな特性を持つロッドとして、
また違った楽しみ方ができるはずです。

あなたも大切に使っていたロッドが破損してしまい、
メーカーでの修理も不能などといったことがあれば、
あきらめてしまう前にまずはご相談ください。

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