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FFI CI(キャスティングインストラクター)パフォーマンステスト:ディスタンスキャスト


ディスタンスキャスト

ここではFFIのCI(キャスティングインストラクター)の15個あるキャスティング・デモンストレーションに関するパフォーマンステストのうち、ディスタンスキャストについてのタスク、14と15についてご説明します。

タスク14はダブルホールを使ったキャスティングを、タスク15は75ft以上の距離を投げ切るディスタンスキャストの実演です。

先ずはダイジェストを動画でご覧ください。

タスク14 ダブルホール

50ftのラインを出し、ダブルフォールを使ったフォルスキャストを6~8回連続して行います。

ホールはスムーズで適切なタイミングと長さ行います。また、ループは常に安定して前後ともその幅は4ft以下になるようにしてください。

ホールのタイミングは、ロッドハンドのストローク中に開始し、ストロークの終了と同時に終了、ホールした手は直ちに元のロッドハンド近くへ、ストリッピングガイドとラインハンドの間のラインが弛まない程度のスピードで戻していきます。

失敗例

ダブルホールの失敗例をいくつかご紹介します。

ホールがスムーズでない例

最初の例はホールの仕方がスムーズでない例です。特にラインの引き方が急激に、乱暴に行ってしまったため、ロッドがその時に一瞬大きく曲がりその直後復元してしまうため、ロッドティップの軌跡が下に凹んだ形となり、テーリングループが形成されてしまいます。ロッドを乱暴に振った時と同じ結果になります。

ホールしたラインを戻すタイミングが早すぎる例

2番目の例はホールした手を戻すタイミングが早すぎる例。ロッドがまだストロークの途中にホールを戻してしまうと、それまで曲がっていたロッドが、この時に復元してしまうため、ロッドティップの軌跡はこの時に上に向かってしまいます。これもやはりテーリーングループの原因となります。

ホールした手が戻らない

2番目の例とは反対にホールした手を戻すタイミングが遅れてしまうと、ラインを戻す事ができなくなってしまいます。この動画ではバックキャストの終了じにラインハンドがロッドハンドの近くに戻っていません。動画ではループには特に乱れていませんが、これはラインハンドを無理に戻していないためですが、これではダブルホールになりません。また、これを無理に戻そうとするとストリッピングガイドとロッドハンドの間のラインは大きく弛み、バックキャストのラインも途中でループがほどけて後ろの水面に落下してしまいます。

タスク15 ディスタンスキャスト

最低75ftの距離を投げる、ディスタンスキャストです。

注意点

全体にリラックスした状態でキャストを完了してください。

ホールの長さ、ロッドハンドのストローク長はロッドティップから出ているラインの長さと同期します。つまり、ラインが短い時はホールの長さもロッドハンドのストローク長も短く、ラインが長くなるのに合わせてそれらも長くしていきます。そして同時にキャスティングアーク、つまりロッドの振り角も大きくなっていきます。

ショートディスタンス時のストローク長及びアーク
ミディアムディスタンス時のストローク長及びアーク
ロングディスタンス時のストローク長及びアーク
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FFI CI(キャスティングインストラクター)パフォーマンステスト:アキュラシーキャスト


アキュラシーキャスト

FFIのCI(キャスティングインストラクター)の15個あるキャスティング・デモンストレーションに関するパフォーマンステストのうち、タスク12と13はアキュラシーキャストつまり正確さに関するものです。

タスク12は利き手側でロッドを振り、3つのターゲットを順番に当てていくというもの、タスク13はそれを利き手と反対側でロッドを振り行うというものです。

これより各タスクについて解説していきます。

先ずは本題に入る前に、このタスクのダイジェスト動画をご覧ください。

タスク12 ターゲット

先ずラインを55ft出し、次にロッドティップからラインが5ft出た位置ぐらいまで手繰りこみます。フライを手でつまみ、その状態からフォルスキャストを開始。20ft、30ft、45ftの位置に置いたターゲットを近いものから順番に狙い、フライを落とします。

ラインの長さの調整はフォルスキャスト中に限ります。つまりフライやラインを地面や水面に置いて長さ調整を行ってはいけません。長さが決まったら、ホールを防止するため(このタスクもホールは禁止です)、ラインをロッドハンドに握りこんでからターゲットを狙います。第1(20ft)のターゲットを外したら最初の、ラインの長さ5ftの位置まで手繰り、再びフライを手でつまんだ状態からやり直します。第2(30ft)、第3(45ft)のターゲットを外した場合はその1つ前のターゲットの位置にフライが来るまでラインをたぐり、やり直します。それぞれのターゲットに対して3回までトライできます。

ターゲットの大きさは中心から38㎝以内、つまり直径約76㎝のリングを想像してください。

ターゲットまでの距離と射出角の関係

ターゲットまでの距離が変わるとターゲットラインの角度が変化することに注意してください。ターゲットが近いほど角度が急になります。それに合わせキャストする角度も変化させてください。ターゲットまでの距離が遠いのに、この角度が急だとティッキングの原因になりますし、近いのにこの角度が少ないと、ターゲットの上空高く狙うことになってしまいます。そのようにすると、風などの影響を受けやすく、正確性が損なわれてしまいます。

また、キャストの角度の変化とともに、バックキャストの方向もそれに合わせるように、バックキャストとフォワードキャストは直線で結ばれるように気を付けてください。

近いターゲット
中間のターゲット
遠いターゲット
タスク13 ターゲット(オフショルダー)

利き手と逆側でタスク12と同じことをします。

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FFI CI(キャスティングインストラクター)パフォーマンステスト:ロールキャスト


ロールキャスト

FFI のCI(キャスティングインストラクター)の15個あるキャスティング・デモンストレーションに関するパフォーマンステストのうち、タスク9~11はロールキャストに関するタスクです。

ここではその、ロールキャストについて解説します。

各タスクの内容は、タスク9:ナロー&ワイドループ、タスク10:オフショルダーキャスト、タスク11:ロールキャスト・ピックアップです。

先ずは本題に入る前に、このタスクのダイジェスト動画をご覧ください。

タスク9 ナロー&ワイドループ

40ftのラインを出し、ロールキャストでナローループとワイドループを投げ分けます。リーダーはしっかりターンするようにしましょう。

ループ幅

ループの幅はターゲットライン(あるいはロッドティップ・パス)とストローク後のRSP(ロッドストップポイント)との高さの差によって決定されます。

ナローループ時のロッドストップ位置
ワイドループ時のロッドストップ位置
ロールキャストの注意点
バックストローク

ロールキャストではバックストロークはゆっくりと、水面のラインを引きずるように行い、フォワードキャストの直前でラインがロッドティップから下に垂れさがり、動きがない状態からキャストを行ってください(デッドライン)。ラインを後ろへ飛ばしてしまうのはロールキャストとは言えませんし、アンカーポイントが大きく後ろに逸れてしまいやすくなります。

フォワードキャストのタイミングとアンカーポイント

フォワードキャストは、キーポジション(フォワードキャストに備えてロッドを少し後ろに倒して構えた状態)で、そのロッドティップからラインが下に垂れさがり、ラインと水面の接点(アンカーポイント)が自分の直前の足元辺りまで引きずられてきた時に行います。

このタイミングが遅すぎるとアンカーはキャスターよりも後ろへ逸れてしまい、アンカーの量が多く水との抵抗が大きくなり過ぎてしまいますし、早すぎるとアンカーは大きく前に離れた位置になってしまい、ラインはロッドティップから十分垂れ下がることができないため、ロッドに負荷を掛けづらくなってしまいます。ロールキャストでは、キーポジションで下に垂れさがったラインの重量でロッドに負荷を掛けます。

正面から見たアンカーポイント

キーポジションは、ロッドを少し後ろ(1時~2時程度)に倒すと同時に外側にも少し倒してロッドを構えます。そのようにするとアンカーポイントはキャスターより少し外側の位置になり、安全にキャストすることができます。これが近すぎる、つまりロッドを立てすぎるとアンカーが体に近くなり過ぎ、フライが体の近くを通り過ぎるため危険な場合があります。また反対に遠すぎる(ロッドを外に倒しすぎる)とフォワードキャストでロッドに負荷を掛けずらくなるし、ラインは捩じれて飛んでしまいます。

タスク10 オフショルダーキャスト

40ftのラインを出し、利き腕と逆の片側でロールキャストを行う。リーダーはしっかりターンオーバーさせてください。

キャストの要領はタスク9と同様です。違う点といえば、ロッドティップは最後まで利き手と反対を通過することです。途中で利き手側にずれやすいので、気を付けてください。

具体的なやり方は、上の動画のようにロッドを傾けて行っても構いませんし、ロッドを持つ手を持ち替えて行っても構いません。

タスク11 ロールキャストピックアップ

40ftのラインを出し、ロールキャスト・ピックアップを行います。また、その用途も説明してください。

このキャストは、ロールキャストを行って前方の空中へラインとフライを持ち上げて、それらが空中にあるうちにバックキャスト→フォワードキャストへと繋げるキャストなのですが、途中水面や地面にフライやラインが接してしまう(ティック、あるいはティッキングと呼ばれます)ことを防ぐため、最初のロールキャストを少し高めに行うと良いでしょう。

ロールキャストを低めに行ってしまうと、下の動画のようになってしまいます。