夏、いよいよクロダイ(チヌ)のサイトフィッシングが楽しい季節になってきました!
ひざ下からくるぶし程度のごく浅い水深に立ちこみ、
無心にえさをとるクロダイを狙って釣る、
シャロ―フラットでのサイトフィッシングは
たいへんにエキサイティングで、今や日本のソルトウォーター
フライフィッシングを表するものとっていいでしょう。
その発祥の地である浜名湖はもちろん、
今や関東やその他多くの場所でも釣り場の開拓が進み、
すっかり夏場の(場所によっては夏以外でも)
フライフィッシングを代表するものとなっています。
クロダイのサイトフィッシングで注意するべき危険
愛好者が増えれば、それに伴い、様々な事故なども増えるもの。
そこで、クロダイのサイトフィッシングで遭遇するであろう
危険について考えてみました。
- 日焼け、熱中症
- 岩や貝殻、サンゴなど
- エイ
最初の日焼け、熱中症については、強い日差しを遮る帽子やサングラス、
様々な紫外線を遮断する衣類を着用し、日焼け止めを塗り、
水分をまめに補給するということに尽きるでしょう。
下にお勧めの衣類をご紹介します。
2番目については
鋭い岩やサンゴなどから足を守ってくれる
ブーツを履くことが解決策となるでしょうが、
これについては、お勧めのブーツを
後程ご紹介します。
最大の危険はエイ
しかし、最も危険度が高く、
気を付けなければならないのが、エイ。
特に日本ではアカエイが最も
最も遭遇する可能性が高いと言えるでしょう。
エイの危険性
エイは、海底の土の中に潜り込み、目のみを出して
じっとしているということがよくあります。
そのような状態のエイはたいへん見つけにくく、
注意していても気づかずに、
それを踏みつけてしまうことがあります。
踏みつけられたエイは、突然襲い掛かった災難から逃れようと
尾を振りながら全力で泳ぎ去ります。
その時に、尾の根本近くにある毒を持った鋭い棘で
相手を刺してしまいます。
その棘はたいへん鋭く、ウェイダーや簡単なブーツなど
簡単に貫通してしまうほどです。
そして、その棘の形状は
先のとがったのこぎりのような形状で、
刺した後、それが引き抜かれるときに
切り割いてしまいます。
その傷口はひどく、
刺されたときは、
先のとがったハンマーで殴られたような
激しい痛みが伴います。
そのあまりの痛さに気絶してしまうこともあるほどです。
また、その毒のために
傷口から壊死を起こし、
アナフィラキシーショックを
起こす場合もあり、
最悪のケースでは死亡例もあるので、
くれぐれも注意が必要です。
エイに刺されたときの対処方
運悪くエイに刺されたときには
可能な限り素早い対処が必要です。
傷口に棘が残っているようなら、
ピンセットやペンチなどですぐに取り除き、
毒を吸い出すか、絞り出す必要があります。
エイの毒はタンパク質からできており、
60℃前後で凝固し始めるため、
やけどしない程度の
できるだけ熱いお湯に
傷口を漬けておくと痛みは和らぎます。
そして、可能な限り早く病院に行くことです。
決して自分だけで直そうとしないでください。
病院で治療しても、
完治するまでは相当な時間がかかります。
場合によっては1年、もしくは
それ以上かかる例もあります。
エイに刺されないためには
エイは自ら敵を刺そうと襲ってくることはなく、
襲われた場合など、身に迫った危険を回避するために
相手を刺して逃げるので、
エイを見つけたからと言って
必要以上に恐れる必要はありません。
最も危険なのは、
お互いに気が付かず、
エイを踏みつけてしまった時なので、
そうならないよう注意する必要があります。
歩くときは、
海底から足を離し、”ドシドシと”歩くし方はせず、
すり足で歩けばよほどでない限り、
エイの方が気が付き、離れていくはずです。
時にエイの方からこちらへ
近づいてくるようなことがありますが、
それは、私たちが歩くことにより、
海底の土を巻き上げ、
その先にエサがあると思い近づいてくるので、
そんな時はロッドの先で軽く水面を叩くなどして、
こちらの存在を気づかせてやれば、
遠ざかるはずです。
お勧めのブーツ
それでも、気づかず刺されてしまう可能性がないわけではありません。
万が一のための、何らかの防御はしておくに越したことはありません。
その防御策の一つとしてお勧めしたいブーツがあります。
ベイ・アーマーというブーツです。
これは、柔軟なネオプレーンに
特殊なラミネートを施した材を使ったブーツで、
裸足のように快適でありながら、
鋭いエイの棘から足を守ってくれるという、
夢のようなブーツです。
この素材は靴の底の部分にも張ってあるため、
エイはもちろん、鋭くとがった岩場や
サンゴなどからも守ってくれます。
これで完璧というわけではありませんが、
かなり安心できるはずです。