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シューティングヘッドを使った釣り


日本のみならず、世界中の多くのフライフィッシングの現場において、
シューティングヘッドが使われることは非常に多くなっていると思います。

湖や、海などはもちろん、中、大規模河川でのスペイフィッシングのような
フライをスウィングさせる釣りでも、その傾向は顕著だといえます。

シューティングヘッドの特徴

シューティングヘッドを使ったラインシステムは、
ウェイトフォワードのような、ランニングライン一体型のライン
と比べて、ランニングラインとヘッド部分が分かれており、
それらを接続して使うラインシステムです。

シューティングヘッドを使ったラインシステムは、
その特徴を理解して使用すると、大変便利なラインシステムです。

以下にこのシューティング・ラインシステムの特徴を挙げます。

利点

まずはシューティングヘッドを使った場合の利点は
以下のようなものだといえるでしょう。

限られたスペースでもキャストできる

シューティングヘッドは多くの場合、大変短いものが使われます。

長いもので40ft、短いものでは20ftあるいはそれ以下というものもあります。

ヘッドが短いということは、それだけ限られてスペースでも
ラインを障害物にひっかけることなくキャストすることができるということになります。

これはシューティングヘッドの大きな利点の1つだといえます。

そしてその利点を生かすため、時代とともにより短いものが求められる傾向にあります。

本来、ヘッド長が短くなると、遠投性能や
キャストのスムーズさなど、キャスティングの性能が
損なわれるものです。

しかし、近年ではヘッド長が短くなってもキャスタビリティを
損なわないようなラインが開発されています。

楽にキャストできる

上でも記した通り、このラインシステムで使われるシューティングヘッドは
通常のラインよりも短いヘッドが使われることが多いため、
キャストするラインの重量も軽く、しかもラインが短いということは、
キャストに必要なストローク長も短くすることができます。

ですから、長いヘッドのラインと比べると楽にキャストすることができます。

また、ランニングラインも通常は摩擦抵抗が少なく軽いものが使われます。

つまりより少ない力でキャストしても、スムーズにラインが飛んでいくということでもあります。

このことも、楽にキャストできるということになります。

遠投が容易

これもまた上で記述した内容と重複しますが、
通常のラインよりも軽く抵抗の少ないランニングラインを使うことで、
遠投することが容易にできます。

これにプラスして、シューティングヘッドの長さを長いものにしたら
より遠投が可能となります。

このことは、遠投競技用のラインがロングベリーのシューティングヘッドが
使われることを見ればお分かりだと思います。

ラインの交換が容易

近年このラインシステムでは、ヘッドの後端部分はループ形状となっており、
ランニングラインとの接続は、直接そのループにランニングラインを結ぶか、
ループトゥーループ接続で使用します。

ですから、釣り場ですぐ簡単に取り外しと接続ができます。

つまり、釣り場の状況に合わせてヘッド長を変えたり、
シンクレートの違うラインに交換することが容易にできます。

ラインワレットに種類の違うラインを収納して
ポケットに忍ばせておけばよいのです。

スペアのスプールやリールを持ち歩く必要もないので、
経済的でもあります。


複雑な流れでもフライを流しやすい

このラインシステムでは、
ランニングラインの部分は、
ロッドを少し持ち上げるだけで
水に触れることなく、空中に保って
ラインをスウィングさせることができます。

そのため、その部分は流れの影響を受けることがありません。

このことは広く複雑な流れをスウィングさせる場合でも
スムーズに流すことができ、たいへんなアドバンテージとなります。

欠点

このようにいいことづくめに見える
シューティングライン・システムですが、
もちろん欠点もあります。

このラインシステムの、
主な欠点をご紹介します。

距離の調整がしづらい

このラインシステムでは、
ヘッドの部分から突然細いランニングラインが
接続されています。

ですから、その間の力の伝達は
スムーズには行われません。

ですから、ヘッドの後端がロッドティップから
長く出過ぎた状態では力がうまく伝わらず、
キャストすることができません。

余談ですが、ヘッドの後端と
ロッドティップの間の距離は
「オーバーハング」と呼ばれ、
フライキャスティングではよく使われる用語ですから、
ご存じなかった方はここで覚えておかれると便利です。

これが、一体成型のラインでは
ヘッド部分とランニングラインとの接続は
ある程度のテーパーが付いた、
スムーズなものとなっており、
またランニングラインの太さ自体が
シューティングラインよりも極端に
細くなっていないのが通常です。

このような形状のラインでは、
ある程度の今日範囲があります。

また、逆にラインをヘッド長よりも
多く引き込んだ状態では、
ファイナルキャストの時に
ロッドのガイドを通り抜けるときに
ヘッドの後端部分が暴れ、
大きな抵抗となって
スムーズに通り抜けにくくなってしまいます。

つまりキャストに適したラインの長さの
許容範囲が狭いといえます

ライントラブルが起こりやすい

前述したように、このラインシステムでは
通常短いヘッド部分と、細く軽いランニングラインが
使われます。

そして、次のキャストのためには
その短いヘッド部分がロッドティップ近くに来るまで
たくさんのラインを手繰らなくてはなりません。

つまりキャストするときには
たくさんの細いランニングラインを
手繰った状態でキャストしなくてはなりません。

細いランニングラインは、
それだけ通常のラインよりは絡みやすいものです。

このラインが絡みやすいということが
このラインシステムの最大の欠点だといえるでしょう。

その長く絡みやすいランニングラインを
うまく処理してキャストしなくてはなりません。

ラインがガイドを通る時に抵抗がある

ヘッド部分とランニングラインの部分はループtoループか、
結ぶなどして接続されていることは
冒頭でご説明しました。

この接続部分は、ロッドのガイドを通り抜ける時に、
多少「カツカツ」と引っ掛かるような抵抗が伴います。

これは、気にしない人には
大した問題ではないのですが、
気になる人には結構なストレスになります。

また、この抵抗は
ラインを多く引き込んで
この部分をロッドティップよりも
中に引き込んでキャストしようとした時には
キャストの妨げとなります。

魚とのファイト中などには、
ラインを手繰りこんでいき、
この部分がロッドガイドを通る時に、
ロッドとラインとの角度が鋭角になった
状態にならないよう、
できるだけ鈍角になるように保っておくと
この抵抗は軽減されます。

シューティングヘッドの種類

一口にシューティングヘッドといっても
様々なバリエーションがあります。

特にスペイキャスト用の
シューティングヘッドにそれが顕著です。

以下にスペイ用のシューティングヘッドの
主なものをご紹介しておきます。

スカンジナビアン

先ずは形状の上で大きく分けて2つのタイプがあります。

1つ目がこのスカンジナビアン・シューティングヘッドです。

これは短くしてスカンジなどとも呼ばれるタイプのラインです。

その基本は北欧発信のため、このような名称で呼ばれています。

ヘッドの後ろ部分近くが最も太く、
そこから先端に向かってスムーズに細くなっている形状で、
たいへんスムーズなキャストができるライン形状です。

スカジット

こちらは先ほどのスカンジがベースとなっているものの、
北米のスカジットリバーを中心とした
熱狂的なスチールヘッダーたちが、
自分たちの釣りのスタイルに合わせ、
より実践的に改造した、北米発信のラインシステムです。

前述のスカジットよりも重いヘッド部分と
そこからほとんど、あるいは全くフロントテーパーを持たず、
多くの場合、ティップを接続するためのループが作られています。

そのループに基本的にかなり沈みの速い
シンクティップを接続して使います。

きれいにラインをキャストするというよりも、
重くキャストしずらいヘビーシンクティップと
やはり重く大きなフライをキャストできる
パワフルなラインシステムだといえます。

それぞれのラインの特徴

上でご紹介したように、それぞれのラインの特徴はおおよそ以下の通りです。

  • スカンジ

スムーズなキャストが得意。

非常に重いシンクティップやフライをキャストすることにはあまり向かない。

  • スカジット

通常ではキャストしづらい非常に重いシンクティップやフライを楽に、効率的にキャストすることができる。

小さいなフライを静かでデリケートにプレゼンテーションすることには不向き

進化するシューティングヘッド

スカンジとスカジットの中間

上で説明した通り、スカンジとスカジットでは
それぞれ相反するような特徴があるのですが、
近年ではそれら双方のメリットを取り入れたような、
中間的なタイプのラインも登場しています。

これらのラインは、汎用性にたいへん優れたラインだといえます。

マルチデンシティ

湖の釣りなどでもそうですが、
大きく重い流れでのスウィングさせて釣る場合などでは、
フローティングラインだけではもちろん
十分対応できません。

どうしてもシンキングラインが必要になります。

これらのラインが開発された当初は
単純なシンクティップ、あるいはフルシンクライン
しかありませんでした。

ですが近年では、
2種類、あるいは3種類の異なったシンクレートを
組み合わせたマルチ・デンシティのラインなども現れ、
よりきめの細かい対応ができるようになってきました。

シューティングヘッドを使ったラインシステムは、
いくつかのデメリットはあるものの、
それを補って余りあるメリットがあり、
今後ますます多くの釣り場で主流となりつつあります。

とりわけスペイキャスト用のシューティングヘッドの発展は目覚ましく、
まだまだ進歩していくことと思います。

シューティングヘッドを使ったラインシステムや
それを使った釣りやキャスティングなどについて
ご不明の点などありましたら、
お気軽にお尋ねください。

また、フライキャスティングやフライフィッシングの
レッスンなども随時行っていますので、
それについてのお問い合わせなども下のフォームから
お知らせください。

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    4月の本流


    すっかり暖かくなって、
    桜の花が見ごろの4月。

    ”いつもの”本流に行ってきました。

    続きを読む 4月の本流
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    【2022年】シーズン到来!


    2月中盤を過ぎて、いろいろな河川が解禁。

    今年もいよいよ本格的にシーズンが開幕されました。

    解禁…ぼくの場合

    ここ何年かというもの、ぼくはだいたい以下のような感じで
    解禁を迎えています。

    • 2月1日 長良川中央
    • 2月16日 天竜川
    • 3月1日 蒲田川

    今年はこれに加えて、2月7日の寒狭川が新たに加わりました。

    2月1日:長良川

    2月1日、今シーズン最初の解禁もやはり、例年通りの長良川から。

    正確に言えば、長良川本流ではなく、その支流だったのですが…。

    最初はなかなかライズが始まらず、苦戦が予想されましたが、
    結構数も釣れ、久しぶりにシラメも混じってなかなかな滑り出しでした

    …なぜかぼくのフライにかかったのはアマゴばかりでしたが…(´;ω;`)

    同行の”Aちゃん”も久しぶりのシラメにご満悦。

    2月7日:寒狭川

    続いての解禁は寒狭川。

    今シーズンから設定された、話題の「塩瀬ベース」に行ってきました!

    ここでは、今年から釣法別にゾーニングされたキャッチ&リリース区間が設定されて、
    今後が楽しみに釣り場になりました。

    途中、ケンキューブの杉坂研治さんとバッタリお会いし、しばらく一緒に釣りをさせていただくことに…

    そして、今年も本流のスペイフィッシングは、やはりここから…

    そして、2月16日。

    本流の解禁はやはり例年どおり、天竜川南信地区へ。

    今年の天竜川解禁は寒さが厳しく、かなり厳しい釣りとなりました。

    行きの道中は雪が降り積もり、直線に車に装着したスタッドレスが大活躍!

    …というか、それがなければたどりつけませんでした(;’∀’)。

    1日中風は強く、ガイドは凍り付き、
    それどころかリールも凍り付いて回らなくなるので
    時おり水に沈めて溶かさなくてはならないほどでした。

    途中でTさんと落ちあい、
    しばらく話をすると、すでに1本釣り上げたとのこと。

    魚の反応は悪くない様子。

    一緒に釣りをさせていただくことに。

    そして、待望のストライク!

    いくつかのポイントを回ったあと、
    ようやく、待ちに待ったストライクが!

    ここのところフッキング率を上げるために
    試している方法でフッキング。

    しっかりかかったと思い、ファイトするものの
    数回のジャンプでラインが緩み、
    痛恨のバラシ(´;ω;`)。

    …コンナハズデハナインダケド…

    そして翌日

    翌日はアンパラの山本さんも同行していただき、
    3人で釣りをすることに。

    この日は前日よりもいくらか暖かいか?
    との期待もむなしく、やはり寒い。

    濡れたまま車内に放置したウェーダーが凍ってなかなかはけない(;^_^A。

    そしてやはり、ガイドとリールは凍り付く。

    朝一に山本さんが目星をつけていた第一候補の釣り場は
    入った時間が早すぎたか、まさかの不発。

    別のポイントへと移動。

    ぼくが流した後から…

    そして次に入ったポイントでは、ぼくが先行させていただくことに。

    この時入ったポイントは流れのスピードがかなり遅く、
    それまでつけていたシンクティップでは沈みすぎて、
    根がかりしてしまうため、少しづつ軽くしていき、
    フライを流す深度を調節しながら釣り下っていきました。

    そんな感じでしばらく釣りを続けていると、
    後ろで声が…。

    見ると、後ろを流しているTさんのロッドが大きく曲がっている。

    Tさんは、この時前日アンパラさんで新調したばかりの
    #3のスペイロッドを使っていたのです!

    見事なコンディションのホウライマスです。

    釣果の差…私的考察

    後からTさんに聞いてみると、この時使用していたラインのシンクレートは
    ホバー~インタミだったとのこと。

    勝手な想像ですが…

    この差が今回の釣果を分けた一因ではないかと思っています。

    つまり、先行者と少し違うアプローチ。
    今回の場合はラインのシンクレートが違うという
    ことが功を奏していたのかもしれません。

    ただ、これはこの1回だけを見て、
    単純に沈めなければよかったのかというと、
    必ずしもそうとも言えず、いろいろなことが考えられます。

    もしかしたら、よく言われるように
    先行ののフライで魚の活性が上がり、
    次に流れてきたフライをくわえたという見方もできます。

    その場合、逆のパターンでも釣れた可能性があります。

    つまり、あまり沈まないラインで先行した場合には
    それを魚は咥えず、
    そのあとに流れてくる、もう少し沈みの早いラインに
    ついているフライを咥えたのかもしれません。

    いずれにせよ、複数の人数で同じランを釣り下る場合は、
    それぞれが少しづつ違うアプローチを試すのが、
    効率の良い方法ではないかと思います。

    それは時にキャストする距離かもしれませんし、
    今回のようにラインのシンクレートを変える、
    あるいはフライのサイズやカラーを変えるなどでも
    いいかもしれません。

    その方がより早く、効率的に正解の1つを導き出すことができると思います。

    もちろん正解は1つではないでしょう。

    ただ、運良く釣れた時は、それが
    その時の正解の1つであることは間違いありません。

    そして、それ以降の釣りはそのパターンを参考に
    組み立てていくと、安定した釣果につながるのではないでしょうか?

    悔しいからってわけではないけれど…

    それはともかく。

    解禁に釣れなくて悔しかったから…

    というわけでもないのですが、
    いろいろあって、翌週も出かけてしまいました。

    この日も朝から山本さんと一緒に釣りをさせていただくことに…。

    それから、今回はスポーツフィッシングをはじめ
    様々なアウトドアスポーツのプロフェッショナルの意見をもとに、
    それぞれの人が本当に欲しいものを、
    熟練の職人の手で、高品質の製品を作っている

    国産アウトドアブランド「ネルエピック」
    Mさんと、

    山岳ガイドでもあり、フィッシングガイドでもあるネルエピックのMさん。

    アンバサダーのSさんも同行していただいて、
    にぎやかで楽しい釣りになりました。

    おかげさまで何とか…

    解禁よりもさらに下がった水位のためか、
    午前中は魚の反応もなく、昼食をとることに…。

    魚は釣れてはいないが、会話も弾み
    楽しいひと時。

    それでも、せっかく来たのだからと、
    気を引き締めなおし、午後の部スタート。

    とりあえずランの一番頭の部分から釣り下っていき、
    そろそろいい感じの場所に差し掛かったところで、
    「コツコッ」と、かすかな感触があり、
    「ん?」と思いながら、軽くツイッチで誘ってみると、
    それが功を奏したのか、いい感じでラインが引き込まれる。

    そこで、先週失敗した”例の”フッキングを試してみると…

    今度はしっかりフッキング!

    無事取り込むことができました。

    丸々とした見事な魚体の本流イワナ!

    おかげさまで、先週の”雪辱”を晴らすことができました(*ノωノ)。

    今回使用したタックル

    ご参考までに、今回ぼくが使用したタックルを
    ご紹介させていただきます。

    • ロッド:O-REX ニンブルスペイ メリボラ 11’8″ #5/6
    • ライン:ネクストキャスト トラウトファインダー F1 300グレイン+シンクティップ10ft各種
    • ランニングライン:ビジョン カタパルト フラット 30lb
    • フライ:ストリングリーチニンフ