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FFI CI(キャスティングインストラクター)パフォーマンステスト:ラインコントロール


ラインコントロール

ここでは15個あるFFI、CI(キャスティングインストラクター)のキャスティング・デモンストレーションに関するパフォーマンステストのうち、ラインコントロールに関するタスク4~8についてご説明します。

その内容は、タスク4:左へのリーチキャスト、タスク5:右へのリーチキャスト、タスク6:サイドキャスト、タスク7:スラックライン・プレゼンテーション、タスク8:テンポの変化に関してです。

これらのタスクは全てホールは禁止です。

これより各タスクの詳細を解説していきますが、その前にダイジェスト動画をご覧ください。

タスク4:左へのリーチキャスト
タスク5:右へのリーチキャスト
タスク6:サイドキャスト
タスク7:スラックライン・プレゼンテーション
タスク8:テンポ

タスク4 左へのリーチキャスト

40ftの長さのラインを出し、左へのリーチキャストを2回行う。1回目はラインハンドからラインを滑り出さないもの。2回目は滑り出させるもの。それぞれの用途や特徴を聞かれる場合もあります。

注意点

キャストの終了後のラインとリーダーは、ターゲットに向けて真っ直ぐかそれに近い形で着水し、ロッドは充分左にリーチしてください。ロッドとターゲットの角度は45°~90°になるようにします。

このようにラインが内側にカーブして着水するのは、リーチを始めるタイミングが遅いために起こります。フォワードストロークの終了と同時にリーチを始めるようにします。
これは、リーチの量が少なすぎる例です。

タスク5 右へのリーチキャスト

タスク4と同じことを、今度は右方向へ行います。

タスク6 サイドキャスト

40ftの長さのラインを出し、垂直位置から水平位置まで、3段階から4段階で徐々にロッドを傾けてキャストする。

各ポジションでは、ロッドハンドだけを使って(ホールは禁止)フォルスキャストを2往復させる。

ラインスピードはロッドを傾ける角度に従って徐々に上がっていくことが期待されます。特に低いロッドポジションでフライやラインが、水面(地面)に触らないようにするためです。

ロッドを傾けていくやり方は、上の動画のようにロッドハンドを傾けていくやり方でも良いですし、下の動画のように身体に対する手のポジションは変えずに、上体を傾けていくなどのやり方でも構いません。

タスク7 スラックライン・プレゼンテーション

40ftbのラインを出し、2種類のスラックライン・プレゼンテーションを行い、フライをキャスターから30ftの距離に落とします。

2種類のプレゼンテーションとは、1つはエアリアル・メンドを使用しないキャスト。つまりロッドストップ(ループフォーメーション)後のロッド操作によりスラックを作らないものと、エアリアル・メンドを使用するキャスト。これは前者とは反対にロッドストップ後のロッド操作によるスラックを形成するキャストです。

スラックライン・プレゼンテーションには様々なやり方がありますが、それらのうちエアリアル・メンドを使用するもの、しないもの各2種類づつをご紹介します。このほかにも多くのやり方が存在しますので、良く調べて練習されておくことをお勧めします。

エアリアルメンドを使用しないキャスト

パイルキャスト(パドルキャスト)

エアリアルメンドを使用しないタイプの先ず1つ目はパイルキャスト。パドルキャストとかパラシュートキャストなどとも呼ばれるキャストです。

プレゼンテーションを通常よりも高い位置をめがけてキャスト(水平よりも高い方向)します。このようにすると、ラインは手前側から順番に、スラックを形成しながら水面に落下します。

注意点

プレゼンテーションの方向を高くするということは、その前のバックキャストはそれに合わせて低くキャストするように気を付けてください。バックキャストとフォワードキャストは常に直線に近い角度で結ばれている必要があります。

多くの解説書やビデオなどでは、フォワードストローク終了とともに素早くロッドを水面近く下げるように解説されていると思います。そのようにするとより多くのスラックが形成されるからですが、このタスクではキャスト(ストローク中つまりループの形成がなされるより前のロッドの動きによってスラックを作る、)とメンド(ストロークの終了後、つまりループの形成がなされ始めて後のロッドの動きによりスラックを作る)を明確に分けて実演することが求められていますので、このキャスト後のロッドを積極的に引き下げることはせず、ラインの落下に合わせて下げるのみにとどめてください。

バウンスキャスト

エアリアルメンドを使用しないタイプのスラックラインキャストの例のもう1つはバウンスキャスト。

これはオーバーパワード・スラックラインキャストとも呼ばれるやり方で、付けるフライを重いニンフなどにした場合などにはタックキャストなどと呼ばれることもあります。

通常よりのプレゼンテーションよりも早いラインスピードでキャストし、そのオーバーターンする勢いでスラックを作る方法です。

注意点

こちらのキャストも多くの解説書などでは、キャスト後少しロッドを持ち上げ少し後ろへ引き戻すことを推奨している場合も多いと思います。その方がより多くのスラックを作ることができるからですが、この動きは本タスクではメンドと受け取られる可能性がありますので、しないことをお勧めします。

エアリアルメンドを使用するキャスト

ウィグルキャスト

通常の方法でプレゼンテーションキャストを行い、ストロークの終了後直ちにロッドを左右に振りながらプレゼンテーションを行います。

この左右に振る振幅が大きければより大きなスラックに、細かく沢山振動させるようにすれば細かい多数のスラックができます。

注意点

ライン全体にスラックを作る場合はロッドストップ後ただちにロッドを振り、着水までこれを繰り返します(本タスクでは主にこれが求められます)。実際の釣りにおいて、部分的にスラックを作りたい場合はそのスラックが必要な部分にスラックを作るタイミングでのみこれを行います。つまり、フライに近い部分のみにスラックを作りたい場合はロッドストップ直後のみ行い、後半はロッドを止めておきますし、ロッドに近い部分のみスラックを作りたい場合はキャストご暫くロッドは止めて置き、ラインが着水する少し前にこれを行います。中間部分はこの中間ということになります。

スパイラルメンド

ウィグルキャストと同じようなキャストですが、ロッドを左右に振る代わりに、クルクルと回すようにします。スラックの結果や注意点などはウィグルキャストと同様です。

タスク8 テンポ

40ftのラインを出し、ゆっくりしたテンポ、普通のテンポ、速いテンポでフォルスキャストを行う。

フォルスキャストのテンポが変化しても、安定したループの幅と形状を保つこと、またテンポの違いがはっきり分かる事が期待されます。

このタスクを成功させるコツは、まずこのテンポの違いがはっきり分かるよう、最初のゆっくりしたテンポをできるだけゆっくりにすることが挙げられます。そうすることによりテンポの対比が分かりやすくなります。それから、テンポを早くするためには、ラインスピードを上げる必要があるため、ロッドを大きく曲げる必要があります。それには、キャスティング・ストロークを長くするとやり易くなります。また、ロッドが大きく曲がりながらもテーリングをしないキャストをするためにはキャスティング・アークはそれに伴い広くしてやると良いでしょう。それからループ形状を安定させるには、ロッド・ローテーション(角度の変化)はストロークの最期にし、ストロークの前半はトランスレーション(ロッドの角度を変化させることのない、ロッドの平行な移動)を意識すると良いでしょう。

スローテンポのキャスティング・ストローク&アーク

ミディアムテンポのキャスティング・ストローク&アーク

ファストテンポのキャスティング・ストローク&アーク

それぞれのテンポでのロッドの移動距離(ストローク長)と振り角(アーク)を比較してください。ストローク長をのばすために体の動きを利用していることも、体のブレの大きさの変化により理解いただけると思います。

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