お客様との出会い
ある日、一人のお客様からロッド修理のご依頼のメールが入りました。
「大切に使っているものなので、何とか復活させてたい」とのことでした。
被害状況の確認
ロッドを拝見すると、グリーン系の美しい塗装が施された6ピースの高級カーボンロッド。
#1セクションが完全に紛失し、#2セクションも途中で折れて一部が無くなっていました。
でも、残りの#3〜#6セクションは素晴らしいコンディションで、このロッドへの愛着が感じられました。
修理プランの提案
#1セクションは完全にない状態で、もともとのアクションを把握することができないので、
どの程度までそれを再現できるのか、不確定要素も多いのですが、可能な限りそれを実現するべく、
いろいろ検討して、以下のような修理方法をとることにしました。
- .#1セクションは手持ちのブランクの中から、残っている♯2セクションと会う内径と
アクションのものを選び出し使用。 - .♯2セクションはこのっている部分はできるだけ使用し、欠損している部分を
やはり手持ちのブランクから切り出し、接続。
実際の修理作業
1.#1セクションの選び出し
- 手持ちのブランクの中から残っている♯2セクションに会うものを選び出し、
長さを調節してフェルール部分にカーボン繊維を巻き付け補強
2. #2セクションの修正作業
- 折損部分をクリーンカット
- 欠損部分を補う部分のブランクを切り出し接続
2. アクションの調整
- 新たに作った#1セクションと、修正後の♯2セクション、
それから#3以降の適合確認 - ガイド位置の設定
- 全体的なアクションバランスの確認
3. 仕上げ
- オリジナルのブランクカラーに近いカラーに塗装
- 新規ガイドのラッピングと塗装
エピローグ
出来上がったロッドはこのような仕上がりになりました。
新たに作った#1セクションと、♯2セクションの継ぎ足した部分ののカラーは
オリジナルのものとは少し違いますが、ある程度近づけられたのではないかと思います。
アクションも、本来のものは想像するしかありませんが、
違和感はない状態には仕上がったと思います。
まとめ
一見修理不可能に思える破損でも、諦めずに対処すれば、
また釣りのパートナーとして活躍してくれる可能性があります。
もちろん、完全な元通りの復元は難しいものの、新たな特性を持つロッドとして、
また違った楽しみ方ができるはずです。
あなたも大切に使っていたロッドが破損してしまい、
メーカーでの修理も不能などといったことがあれば、
あきらめてしまう前にまずはご相談ください。
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